所得のある人は所得税を納付する義務があり、1年間(1月1日〜12月31日まで)の収入や経費を計算して税務署へ申告する「確定申告」を行わなければなりません。
しかし、メンズエステで働くほとんどの女性が確定居申告をしておらず、納税の義務を果たしていないことが明らかになっています。税務署側もそれを把握しているので、セラピストに対する税務調査の件数が年々増えているようです。
最大7年まで支払い義務が発生するので「周りも納税していないから大丈夫!」と考えていると、ある日突然、高額な追徴課税を請求されることになります。
この記事ではメンズエステ業界に特化した「確定申告に対する正しい知識」を解説しますので、税金トラブルとは無縁に働きたい方は最後までじっくり読み進めてください。
元セラピストとして4年ほど在籍し、現求はメンズエステ求人を取り扱う会社の広報に勤めている南原みくです。おしえてセラピストでは、本気で稼ぎたいセラピスト様を広く募集するとともに、メンズエステ業界の正しい知識を随時発信しております。
メンズエステの確定申告ってどうするの?
大前提として「メンズエステ専用の確定申告方法」などはありませんので、他の事業者と同じように書類を提出するだけでOKです。
確定申告の書類は国税庁のe-Taxで簡単に作れるので、毎月の収入と経費を記した帳簿があれば30分~1時間ほどで申請書類が揃います。セラピストは個人事業主として確定申告を行うので、GoogleやYouTubeなどで専門家の解説を参考にしながら書類を制作すると良いでしょう。
確定申告の流れをザックリ解説すると、以下の通りです。
- 毎月の給料明細と領収書を保管する
- 毎月の給料と経費を記入しておく(帳簿)
- e-TAXで確定申告の書類を作成する
- 最寄りの税務署に書類を提出する
- 納税する or 還付金の振込を待つ
南原 確定申告の参考にするサイト&動画は、必ず「税理士」「会計士」などの専門家が監修しているものを選びましょう。
メンズエステの確定申告で知っておくべき知識
メンズエステで働く女性は「個人事業主(フリーランス)」として納税することになるので、会社側が勝手に申告をしてくれる昼職とは違い、自分自身で申告書を作成して税務署に提出しなければなりません。
まずは、確定申告に関する基礎的な知識を抑えておきましょう。
- 確定申告が必要のないセラピストもいる
- セラピストが納税していなければどうなるの?
- 確定申告でお金が返ってくる例もある
- 確定申告の「青色」「白色」の違いとは
南原 どうであれ「確定申告をしない(脱税)」という選択肢はありません。自分の身を守るためにも、納税に対する正しい知識を持っておきましょう!
確定申告が必要のないセラピストもいる
セラピストの収入次第では、確定申告が必要ないケースもあります。
- 年間の給料が38万円以下
- 副業の場合は20万円以下
正直、セラピストの平均給料を考えると、年間所得が38万円~20万円以下になるということは考えられないので、ほとんどのセラピストが確定申告の対象です。上記のケースが当てはまるのは「体験入店の初日で辞めた」「数日だけ働いた」といった、単発&短期間だけ働いたセラピストになります。
セラピストが納税していなければどうなるの?
確定申告をしていないこと(脱税)が税務署にバレると、税務調査の対象になります。日本は脱税に対して容赦がないので「知らなかった」「周りもしてないから大丈夫だと思った」などの言い訳は一切通用しません。
確定申告をしていないこと(脱税)がバレると、以下のようなペナルティを課せられます。
課税の名称 | 概要 | 課税額 |
---|---|---|
無申告加算税 | 納付期限後に申告 |
①15%増し ②20%増し ※50万超えの部分に課税 |
過少申告加算税 | 申請内容に修正があった |
①10%増し ②15%増し ※期限内申告額か50万円のどちらか多い方に課税 |
不納付加算税 | 源泉徴収等国税の納付期限に遅れた | 10%増し |
重加算税 | 申請内容が虚偽や隠蔽など悪質な場合 |
①35%増し ※過少申告課税・不納付加算税に代えて ②40%増し ※無申告加算税に代えて |
引用: 財務省:加算税の概要PDF
セラピストがよく受けるペナルティは、殆どが重加算税です。
セラピストとしての月収・年収を考えると、ある日突然数十万円~数百万円の追徴課税を課せられるので、必ず確定申告を済ませてください。セラピストの脱税がニュースなどで報道されることはありませんが、実際、数多くのセラピストが追徴課税を課されている事実を知っておきましょう。
確定申告でお金が返ってくる例もある
メンズエステの収入は「雑所得」「事業所得」となるので、必要経費の計上が認められています。
月収が500,000円で、経費(衣装代・化粧品代・クリーニング代)が200,000円の場合は「500,000円 – 200,000円 = 300,000円」となるので、納税額は15,000円です。最終的に「50,000円 – 15,000円 = 35,000円」となり、35,000円が還付金として振り込まれます。
経費と認められるのは、正しい宛名が記載された領収書がある場合に限ります。普段の買い物や食事の際に「本名フルネームの宛名がついた領収書」を貰うようにしておきましょう。
確定申告の「青色」「白色」の違いとは
個人事業主の確定申告は「青色申告」「白色申告」の2通りがあり、どちらで申告するのかを選べます。どちらで確定申告するべきかお悩みの方は、下記テーブルを参考にしてください。
青色申告 |
|
---|---|
白色申告 |
|
青色申告は最大65万円の控除があり、経費にできる項目が一気に増えます。つまり、利益が多いセラピストは青色申告した方が良いでしょう。逆に、単発&短期間でゆるく働いているセラピストは白色申告で十分です。
メンズエステの無申告&脱税ってバレる?
ぶっちゃけた話、セラピストが脱税のペナルティを受けることは殆どありません。どの解説サイトを見ても「セラピストは確定申告を済ませておきましょう」と記されていますが、実際、追徴課税のペナルティを受けるセラピストは全体の極僅かです。
セラピストの脱税がバレにくい理由は以下のとおりです。
- お店が売上帳簿を残していない
- お店が納税をしていない
- 給料明細をメモ書きで渡している
- 店名や登記場所を頻繁に変えている
しかし、追徴課税を受けているセラピストは毎年複数人いる ので、決して他人事ではありません。国税局も申告漏れがどのような業種なのかを把握しているので、運に任せて脱税するのは辞めておいたほうが賢明です。
南原 画像には「メンズエステ」の項目はありませんが、メンズエステは「風俗」「キャバクラ」と同じような位置づけで目を付けられています。
セラピストの脱税がバレてしまうケース
セラピストの無申告(脱税)は滅多にバレませんが、実際、一部のセラピストは重い課税ペナルティを受けています。そのセラピスト達が税務署に目を付けられる理由は、大体が「運が悪かった」か「ミスを犯した」かのどちらかです。
- 同僚やお客さまに確定申告をしていないことを話してしまう
- 高級車やマイホームなどを現金一括購入する
- 銀行に突然数百万円の入金&貯金をしてしまう
また、セラピスト自身がミスを犯していなくても、お店の脱税がバレてしまった場合もセラピストが芋づる式で課税ペナルティを受けるので注意してください。そういった不安要素を取り除くためにも、メンズエステで働く場合は個人経営より法人運営のお店で働いたほうが安心できます。
セラピストが納税&確定申告をするメリット
確定申告をしないデメリットは、いつ税務調査が入って追徴課税を課されるのかをビクビクして過ごすことになることです。逆に確定申告を済ませておくと様々なメリットがあるので、可能な限り納税を済ませておいたほうが良いでしょう。
確定申告をするメリットは、下記項目の通りです。
- メンズエステの経費で納税額を減らせる
- 税務調査や追徴課税に怯える必要がなくなる
- ローン審査などに使える書類が貰える
- メンズエステの副業がバレない
南原 確定申告をするメリットが大きいというより、確定申告をしないデメリットが大きすぎるとお考えください。
メンズエステの経費で納税額を減らせる
仕事に関係することを紐付けることができれば、私生活の出費であっても経費として申告することができます。メンズエステで働くセラピストが、経費として認められるものは以下の通りです。
項目 | 内容 | 例 |
---|---|---|
消耗品費 | 仕事で使う消耗品 | ボディオイル・タオル・衣類・下着 |
美容費 | 美容に使った費用 | 化粧代・美容院代・エステ・ネイル・整形費用 |
交通費 | お店までの交通費 | SuicaやICOCAのチャージ・電車代・バス代・タクシー代など |
宿泊費 | 利用した滞在費 | ホテル代など |
通信費 | お客さまと連絡に使った費用 | 携帯代 |
接待交際費 | お客さまの接待につかった費用 | プレゼント代・会食費 |
他にも色々ありますが、少なくとも上記の領収書は大切に保管しておきましょう。
経費として認められるポイントは「業務で必要になっているのか?」ですが、ぶっちゃけた話、プライベートで支出したお金(消耗品・美容非・接待交際費)などを経費にしても、税務署側で取り締まれないのが実情です。
勿論、やりすぎると目を付けられますが「美容や整形を経費にする」「友達と飲みに行ったお金を接待交際費にする」「コンビニなどの買い物でSUICAを使って交通費にする」程度であれば、よほど運が悪くない限り指摘されることは無いでしょう。
税務調査や追徴課税に怯える必要がなくなる
確定申告を済ませておく最大のメリットは、なんといっても「追徴課税に怯える必要がなくなる」ことです。セラピストとしての収入を考えると、追徴課税の額が数十万円~数百万円になると考えられます。
いつ税務調査が来るか分からない&怖い!…といったプレッシャーから開放されるのは、精神衛生上のメリットと言えるでしょう。
ローン審査や公的手続きに使える書類が貰える
住宅ローンの申し込み・結婚相談所・幼稚園の申請などで「所得証明書」が必要になりますが、個人事業主であるセラピストは確定申告を済ませないと発行されません。
また、国からの支援金(事業者給付金)なども確定申告を済ませることで最大100万円ほど支給されますが、このような支援金を受けるには確定申告を済ませておく必要があることを覚えておきましょう。
メンズエステの副業がバレない
メンズエステ1本で働いている人であれば問題ありませんが、会社勤めの傍らでメンズエステの副業をしている女性は注意が必要です。
確定申告ではマイナンバーの提出が求められますが、マイナンバーで副業がバレることはありません。むしろ、確定申告をしなければお店に税務調査が入った場合、本業の会社にも連絡が入るのでメンズエステの副業がバレてしまいます。
南原 同じ理屈になりますが、扶養に入っている「学生」「専業主婦」の方々も注意してください。
セラピストが確定申告をする際の注意点
メンズエステ業界に限った話でもありませんが、セラピストが確定申告をする際に注意しておきたいポイントを抑えておきましょう。安心するために確定申告をしているのに、手順や要領を間違えて目を付けられてしまうと元も子もありません。
- 領収書を保管しておく
- 売上帳簿を正しく記載しておく
- お店から所得税を引かれている場合
- 生活保護を受けながら働いている場合
南原 どれもトラブルを避けるためなので、それぞれの注意点などを覚えておきましょう。
領収書を保管しておく
確定申告で経費として計上する場合は、宛名の付いた領収書が必要です。税務署で提出を求められる訳ではありませんが、確定申告をした事業年度から7年間の保存が推奨されています。
また、経費として計上する領収書には以下の点に注意してください。
- 宛名は個人名(または事業者名)になっているのか
- 日付は正しく記載されているのか
- 何代なのかの記載はあるのか
- 支払先の店名・住所・ハンコがあるのか
南原 上記を満たしていない「レシート」や、宛名が「上様」だと、認められない場合もあるので注意してください。
売上帳簿を正しく記入しておく
売上帳簿に正式なフォーマットはないので、大学ノートやExcelを使って制作してください。セラピストの取引相手は勤め先のメンズエステ店だけなので、下記のような表を毎月作っておくと良いでしょう。
月 | 日 | 摘要 | 売上金額 |
---|---|---|---|
5 | 1 | メンズエステ 売上帳簿店(勤め先の店名) | 50,000円(日給を記入) |
2 | メンズエステ 売上帳簿店 | 55,000円 | |
3 | メンズエステ 売上帳簿店 | 61,000円 | |
6 | メンズエステ 売上帳簿店 | 56,000円 | |
7 | メンズエステ 売上帳簿店 | 58,000円 |
南原 この他にも、売上月に掛かった経費なども箇条書きで記入しておくと良いでしょう。
お店から所得税などが引かれている場合
店舗によっては日払いの総額から「所得税」として10%ほど引かれていることもありますが、その殆どはオーナーのポケットマネーに入っているだけです。メンズエステ業界ではよくあることなので “女性向け高収入ワークの習わし” と割り切ってください。
ただし、一部のメンズエステ店は本当に売り上げの申告をしていることもあるので、給料明細に所得税の引き物があった場合は「この所得税というのは、本当にお店が売上を申告しているものですか?」とお店の責任者に聞いておくと良いでしょう。
お店が本当に従業員の給料を申告しているのであれば、確定申告の手順が少し変わります。
生活保護を受けながら働いている場合
たまに見かけますが、絶対に辞めておいた方が良い働き方です。
生活保護を受けながら不当に収入を得るのは、追徴課税とは比べ物にならないほど重い罪(違反金返済)ですし、稼いだ金額によっては逮捕されることもあります。その場合は、生活保護の受給を辞めるか、メンズエステのお仕事を辞めるか、どちらかを選んでください。
南原 生活保護の不正受給に加えて脱税までしてしまうと、人生を破滅させるレベルのトラブルを招きます。
セラピストの納税・税金対策・確定申告まとめ
税務署に無申告がバレてしまうと、過去7年間に遡って追徴金(無申告加課税・重加算税・過小申告加算税)を課せられるので、特別な事情が無い限りは確定申告を済ませておきましょう。安心安全にセラピストとして働くためには、こういった不安要素は取り除いておくべきです。
それどころか、確定申告を済ませておくことで「追徴課税に怯えなくて済む」「仕事が誰にもバレない」「経費として使える項目が増える」といったメリットがあることも覚えておきましょう。
セラピストの確定申告まとめ
- 確定申告は済ませておくべき
- 無申告はデメリットが多すぎる
- 追徴課税の額は数十万~数百万円
実際、殆どのメンズエステ店&セラピストが、税金対策を適当に処理しています。
そのような状態が続いていると、いつ税務調査が来て追徴課税を課されるかわかりません。そういった意味でも、税金対策をシッカリしている法人運営のメンズエステ店で働くことをオススメします。
今のメンズエステの求人サイトは嘘が多いので、その中から安心安全に働ける優良メンズエステ店を見つけ出すのは困難です。働くお店選びに迷われている方は、弊社のLINEお仕事紹介サービスをご利用ください!
コメント